Book review 〜春風駘蕩〜

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永徳翔天

戦国期の絵師、狩野永徳

 

狩野派は、初代正信の時代に室町幕府の御用絵師となり名声を高めた。
その後も時の権力者に仕え、永徳の時代には織田信長に仕えている。そして、江戸期には再び幕府の御用絵師として権勢を奮う。


物語は織田信長が将軍足利義昭を奉じて上洛した永禄11年より始まる。

この短編集は、絵師と同時代のビッグネームが登場することが一つの特徴であるが、本作の場合は万見仙千代がそれに当たる。
仙千代の名は他作品と比べるとやや知名度は下がるが、信長好きの人には馴染みのあるものだろう。


万見仙千代は織田信長に小姓として仕えた。信長の小姓というと森蘭丸が有名であるが、仙千代も蘭丸同様に、眉目秀麗な容姿をしていたとされることが多い。

 

永徳は、この万見仙千代との出会いにより、未だ田舎大名という認識しかされていない織田信長に接近することになる。これが、永徳の人生の転機となっていくのだ。

信長は「天を翔ぶような絵」を所望しているという。


この翔天の意味とは何か。
永徳は安土城の障壁画を描きながら、その真意に迫る。

 

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 狩野永徳 「唐獅子図」

 

 

乾山晩愁 (角川文庫)

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